2023年6月7日
オーステッドとベスタス、ネットゼロ風力発電に向け、業界初の先駆的パートナーシップを締結
※本資料は2023年6月7日にデンマーク、オーフスで発表されたプレスリリースの翻訳です。
再生可能エネルギーの世界的企業であるオーステッドとベスタスは、本日、商業的サステナビリティ・パートナーシップを締結したことを発表します。オーステッドは今後、すべての共同洋上風力発電プロジェクトにおいて、リサイクル材を使用した低炭素鋼製の風力タービンタワーとブレードを、ベスタスから調達することになります。
洋上風力発電の展開は、エネルギー安全保障の強化のため、すべての人に適正価格でエネルギーを提供するため、そして気候危機を抑制するために、必要不可欠なものとなっています。現在、風力発電は石炭火力発電よりも99%少ない二酸化炭素排出量でエネルギーを生み出していますが、ネットゼロを科学的に目指すには、風力発電所で使用される材料や部品の製造時に排出される炭素も、制限しなければなりません。再生可能エネルギーの消費者や政策決定者からのそうした要望もさらに高まっています。
このニーズを満たすには、風力発電業界における最も重要な脱炭素と循環性の課題、すなわち鋼鉄とブレードに対する、費用対効果の高い解決策が必要です。これらの課題に対処するため、オーステッドとベスタスは、これから建設される共同洋上風力発電所のすべてにおいて低炭素鋼製タワーを設置し、そして、商用化が実現し次第リサイクル素材で作られたブレードを、設置していきます。
持続可能な調達を、単発的なものではなく、両社で実施する将来の洋上風力発電プロジェクトのすべてに組み込むことを約束することで、オーステッドは、ベスタスの革新的な低炭素・循環型ソリューションに対する、継続的な需要を生み出しています。
オーステッドグループ社長兼最高経営責任者(CEO)マッズ・ニッパーは、次のように述べています。「気候変動に関しては、防衛戦はありません。そしてパートナーシップなしに進展することもありません。だからこそ、オーステッドはベスタスとパートナーシップを組み、最先端の脱炭素・循環型ソリューションを統合・拡大することで、ネットゼロの風力発電所に対する将来の顧客からの需要に応えられることを、非常に誇りに思っています。私たちはベスタスとともに、ネットゼロに向けて業界を牽引しています。そして、世界中の政策決定者にも、再生可能エネルギーにおける低炭素・循環型ソリューションの需要を促進するための行動を起こすことを強く求めます。」
ベスタス最高経営責任者(CEO)ヘンリック・アンダーセンは次のように述べています。「エネルギー転換を成功させるには、前例のない規模とペース、それに加えて企業間と業界内の強力なパートナーシップが必要です。このたびのオーステッドとの提携により、私たちの最先端の循環型ブレードリサイクル技術の導入、および風力発電業界のサプライチェーンにおける低炭素鋼の需要を促進できることを、うれしく思います。このパートナーシップは、循環型風力発電プロジェクトを発展させるための飛躍的な前進であり、気候危機との喫緊の戦いには、商業協定とコラボレーションが不可欠であるという、力強いメッセージを発信しています。」
この提携により、両社は今後共同で実施するすべての洋上風力発電所について、以下のことを実施することになります。
● 共同事業において最低25%以上の低炭素鋼タワーの調達・設置
ベスタスはここ数年、風力タービンタワーにおける低炭素鋼の使用を実現するための、異業種間コラボレーションの先頭に立ってきました。このたびの提携により、オーステッドとベスタスは、洋上風力発電のためのコスト競争力のある脱炭素鋼の拡大をさらに加速させるため、鉄鋼業界に強力な需要シグナルを送っています。現地の再生可能電力で製造された鉄スクラップを利用することで、タワー用の重量鋼板からの炭素排出量を最大70%の削減することが可能です。
● 循環型ブレードリサイクル技術の拡大と、リサイクル材を使用したブレードの調達
CETECプロジェクトにおいて、ベスタスとそのパートナー企業は、既存および今後使用されるエポキシ樹脂ベースのブレードの複合材料を分解し、回収したエポキシ樹脂を新しいブレードに使用するソリューションを初めて開発しました。これは業界最大の循環性の課題、すなわち現在稼働中で、解体時にはリサイクルしなくてはならない多くのブレードについて、対処するものです。ベスタスは現在、パートナー企業のオーリンおよびステナ・リサイクリングとともに、循環型リサイクルのバリューチェーンを拡大しています。商業生産の準備が整えば、オーステッドはリサイクル材を使用した風力タービンのブレードをベスタスから調達し、技術の規模拡大をさらに加速させるでしょう。
オーステッドとベスタスは、規模を拡大しコストを削減しながら、風力エネルギーの持続可能な構築に向けて再生可能エネルギー業界を牽引してきました。オーステッドとベスタスは、バリューチェーン全体の脱炭素化に向け、科学的根拠に基づき設定された「1.5度目標」を、各々、再生可能エネルギー開発企業とメーカーとして初めて検証し、業界を牽引するサプライヤーの脱炭素化とエンゲージメントプログラムを実施しています。両社はまた、ブレードの埋め立て処分の廃止という、循環性における業界最大の課題の解決にも取り組んでおり、ネットゼロ風力発電所の実現に向けて次の段階にともに進むパートナーです。
低炭素鋼製タワーや循環型ブレードリサイクルに関する取り組みのほかにも、両社は、自然とのバランスを保ちながら再生可能エネルギーを構築していくための生物多様性保全など、持続可能性におけるその他のコラボレーションについても協力して模索していきます。
■オーステッド(Ørsted)について
Ørstedのビジョンは、完全にグリーンエネルギーで動く世界です。Ørsted は、洋上および陸上風力発電所、太陽光発電所、エネルギー貯蔵施設、再生可能水素・グリーン燃料施設、バイオエネルギープラントの開発、建設、運営を行っています。Ørstedは、気候変動に関する世界的リーダーとしてCDP気候変動Aリストに記載されています。また、科学ベースの目標イニシアチブ(SBTi)によって検証された科学ベースのネットゼロ排出目標を備えた世界初のエネルギー企業です。デンマークに本社を置く Ørstedは約8000名の社員を雇用しています。Ørstedは、ナスダック・コペンハーゲンに株式上場しています。2022年のグループの売上高は、1323億デンマーククローネ(178億ユーロ)でした。
■ベスタス(Vestas)について
ベスタスは、持続可能なエネルギーソリューションに関するエネルギー業界のグローバルパートナーです。世界中で陸上および洋上風力発電機の設計、製造、保守を含めたさまざまなサービスを提供しています。べスタスがこれまで納入した風力発電機は、世界88カ国で合計166GWにのぼり、業界ナンバーワンの納入実績を誇ります。また、業界をリードするスマートデータ機能と、合計146GWの風力発電機へのサービス提供を通じて、データを活用した各種分析、診断、及び新技術開発を行い、業界最高水準の風力発電ソリューションをお届けしています。ベスタスの28,000人を超える従業員は、明るい未来を実現するために、お客様とともに持続可能なエネルギーソリューションを世界中にもたらしています。
ベスタスは日本において、1993年に最初の風力発電機を納入して以降、現在設置済みの風力発電機は合計1,145MWを超えます。日本法人であるべスタス・ジャパン株式会社は、東京本社と、全国15か所にサイトオフィスを構え、日本における陸上および洋上風力発電機の販売と、稼働中の風力発電機へのメンテナンス等のサービス提供を行っています。
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